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感情複合[2009/2/16 13:03:00|by:love719865]



助三郎に抱きしめてもらったうれしさもあって早苗は少し浮かれていた。









「前はな。結婚決まってからモテなくなった…」






 母が天使の存在を知っていた事も、伯母さんと思っていた人がサクラの母親だった事も、母が俺とサクラの事を全て知っていた事も俺にとっては驚きの連続だった。

 母には大分長いこと連絡を取っていなかった。サクラの事をどう説明していいのか分らなかったので、控えていたのだ。



「大丈夫でしたか?皆さん?」



「お願い?」






「由紀さんうらやましいわ。」








 携帯電話のアラームが起床を推奨していた。

 鈍痛に苛まれる頭を抱え、上半身をベッドから引き剥がす。

 キッチンに向かうため、脚をフローリングに馴染ませる。

 それからしばらくして部屋を後にする。スーパーの袋がリビングに置かれたままなのを思い出した。

 リビングに入る。揃姉がスーツ姿のままソファにうつ伏していた。テーブルに置いてある袋をそっと手に取りリビングを後にする。

 廊下に出ると僕の部屋から音が鳴っていた――ああっ、忙しいったら!

 足早に部屋へと戻り、電子音を空気に昇華させ続けている携帯電話のサブディスプレイを見る。

 変態外科医からだった。

俺の名前は瀬能ナツル。

 正真正銘、男子高校生だ。

 ちなみに今いる場所は女子トイレ。

 何をしてるかって?用を足してるに決まってるだろう?

 誤解してしまっているようだが、今の俺は女だ。

 女なんだから、男子トイレには行けない。

 あー、余計混乱させてしまったようだな。

 こほん。

 これから、俺に起きた嘘みたいな本当の出来事を説明しよう。

 いや、説明させてください。

 このままでは、俺は変態だ。

 至極普通の男子高校生だった俺はある日、起きると女になっていた。

 どうやら、ケンプファーなる戦う存在になったらしい。

 今俺の右腕で青く光ってる腕輪。

 これは青のケンプファーという証になっている。

 この腕輪はもう一種類あって赤いヤツもいる。

 青のケンプファーたちと赤のケンプファーたちは戦いあう。

 なぜかはしらん。

 だが、そういうもんらしい。

 さて、全然女になった理由になってないと思ってないか?

 まぁ、結論は急ぐな。

 このケンプファー、条件が一つある。

 それが『ケンプファーは女である』ということ。

 男の俺はケンプファーになった時、女になってしまうのだ。

 俺は性別が変わるが、ケンプファーになれば、それぞれなんらかしら変化があるようだ。

 性格が変わったり、髪の色が変わったり。

 まぁ、今の俺には受け入れるしかできないんだが片仔廣牛黄解毒片

 女性の裸にも興味津々な健全な高校生である俺だが、ポリシーがあった。

 女の姿でトイレとお風呂には行かないと。

 だって、男として育った俺が女である現実を目の当たりにするのが嫌なんだ。

 いくら女性の裸に興味があっても自分の裸となると話も違う。

 見なくてすむなら、見たくない。

 なら、なんで女の姿でトイレいるか、疑問に思うだろう?

 近くにケンプファーがいると反射的にケンプファーに変身しちまう。

 まぁ、保身のための能力だろうと思うのだが。

 さて、さっさとトイレを終えよう。

 …ここからの詳細は秘密だ。

 ただいえるのは、トイレから出てきた俺は自分の顔が酷く熱を持っていたことだけ。

 まさか、女性の…と、これ以上は本気でいえない。



 俺は、心の中でそう何度も何度も呟いていた。



『長いこと、関係のない話まで話してしまったな。私もサクラには幸せになって欲しいんだよ、君なら娘を任せても安心だからね。明日サクラを君の元に行かせる。私が出来るのはそこまでだ。その先の判断はサクラに任せるとしよう』



 



 俺は半ば投げやりにそう言った。









「まぁいい。…手だけは出すんじゃないぞ。相手がいるからな。」



 俺は恥ずかしさの余りタクローの顔をまともに見る事が出来なかった。タクローが何も言わないので、仕方なくちらりとタクローの様子を窺うとにやりと笑っていた。何となく馬鹿にされているようでむかっ腹が立つ。



 俺は、タクローの小さな体を揺すりながら、勢いよくそう聞いた。















「ごめんなさい。変なこと想像しちゃった…。」









哲司もまるでそうした物でも物色しているかのように、辺りをキョロキョロしながら付いて行く。

「対象者を凝視するのは駄目だ」c57f54a35357911564090dd20cb1d616と例のドラマで主人公が言っていたからでもある。



由紀、ヤケに驚いた様な顔をしてるけど…






 そっか、と言ったきり言葉が出てこない。もどかしい想いを感じていた。






『私は彼女を酷く愛していたいたんだよ。出来ればずっと私の傍に置いておきたかった。君のお母さんにはお世話になりっぱなしだ。私と彼女のキューピッドだったからね。君のお母さんには、サクラが君の部屋にお世話になっている事もサクラの恋心の事も話してある。君のお母さんもこの私も君たちの事をとても応援しているんだ』






 俺はサクラを抱き締め手をより一層強めた。そして、肩を掴むとこちらに顔を向けさせた。

 サクラの顔は、涙でぐしゃぐしゃになっていた。俺はサクラの顔を袖でごしごしと拭いた。サクラは幼児が母親に鼻を拭かれているような顔をしていた。それが何だか可笑しくて、俺はつい笑ってしまう。俺に笑われたサクラは唇を尖らせて怒った。俺は笑いながらその唇に自らの唇をそっと乗せた。すぐに放すと、驚いたサクラはキョトンとした顔で俺を穴が開くほど見てくる。俺は照れ臭くてサクラを直視出来ない、年甲斐もなく俺の心臓は飛び出しそうなほどに高鳴っていた。顔が真っ赤になっているに違いない。

 サクラが勢いよく俺に抱き付いて来た。



「はい、過去の事は俺の中でけじめをつけました。彼女の事は本当に好きでしたが、これからは友達として付き合って行きたいと思っています」



「ミカエル様にお願いしたら良いと思います」



自分の放水も、そろそろ終盤に差し掛かっている。

後、30秒ぐらいで終るだろう。

そうなれば、ホースを撤収する前にどうしてやらなければならない動作がある。

基本動作だ。

男ならば誰でもする。



「格さん怖かった。特に家老やっつけてるとき。普段と違って殺気が尋常じゃなかったっていうか…」


















「憎いな、こいつ!」

脇を肘で小突いてきた。



「当たり前だ。ひどいめにあいそうになったんだから。」



「あぁ、助けに来てくれた時少しだけ。…それに、初めて抱き締められた。」

やっぱりあれはうれしかった。

気をつけないとにやけてくる。



「私は……、私は初めて会った時からずっと哲さんが好きです。ずっと傍にいたいのは私の方です」





















「ありがとな、タクロー」












「は?」



「家でもその都度そうされていの?」

今度はもう女用花痴片剤1人の女性が訊いている。









「はい」



どうやら、その女性たちは、子供をつれてきたようだ。

彼女達の会話に混じって、子供の小さくて短い言葉が耳に入ってくる。

つまり、子供が小便をするのに、その母親が付いてきたってことなのだろうと源次郎は思った。



「まぁいいか。早苗に会えたし!あっ。そうだ、格さん、遣いは無事にできたのか?」





 翌日、俺が朝目覚めると以前と同じように朝食を用意していた。

 昨夜の俺は、明日サクラになんて言えば良いのかを考え始めてしまい、なかなか寝付く事が出来なかった。朝方やっと寝る事が出来、思いのほか熟睡してしまいサクラがここに来た音には全然気付かなかった。



お銀は、その表情を見て隣にいるじゃないと言いたくなったが、

格之進の姿の早苗が眼で、言うな!と訴えてきたのでやめた。



「何故サクラ様を連れ戻したいんですか?」






「でも、まだ鍛錬が足りないな…」



「え~と、ミカエル様。お願いします。サクラに会わせて下さい。俺には、サクラに伝えたい事があります。あの時のような後悔はもう二度としたくないんです。サクラと話をさせて下さい。お願いします」





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